登山とトレッキングの違い|山頂を目指すかで決まる使い分けと選び方

登山とトレッキングの違い|山頂を目指すかで決まる使い分けと選び方 登山の始め方・初心者ガイド・用語

「登山」と「トレッキング」はどちらも山を歩くことなのに、ツアーの名前や道具の名前で使い分けられていて、結局どこが違うのか、自分がやっているのはどちらなのかがはっきりしないままではありませんか?

この記事では、登山とトレッキングの違いを、目的・道・装備・体力の4つの軸で比べ、トレイルやアルパインといった似た言葉との違い、日本と海外での使われ方、自分に合うのはどちらかの判断の仕方を解説します。

読み終えるころには、2つの言葉を迷わず使い分けられて、コースやツアーを名前ではなく中身で選べるようになります。

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  1. 登山とトレッキングの違いは「山頂を目指すかどうか」。厳密な定義はない
  2. 4つの軸で見る登山とトレッキングの違い
    1. 目的:到達か、過程か
    2. 道:登山道か、歩きやすい山道か
    3. 装備:登山靴か、トレッキングシューズか
    4. 体力:脚力か、持久力か
  3. トレイル・アルパイン・ハイキングとの違い
    1. トレイルは「道」、トレッキングは「活動」
    2. アルパインは「高山・岩と雪の登山」
    3. ハイキングはトレッキングよりさらに気軽
  4. 日本と海外での使われ方の違い
    1. 日本:山を歩くことをまとめて「登山」と呼ぶ
    2. 海外:トレッキングは「数日以上の山旅」
  5. 自分に合うのはどちら?名前ではなく数字で選ぶ
    1. コースタイムと標高差の2つの数字で判断する
    2. 山頂に立つ達成感がほしいなら登山、道中を楽しみたいならトレッキング
    3. 装備は「一段上」に合わせておく
  6. よくある質問
    1. 登山とトレッキングの違いを一言で言うと?
    2. トレッキングは登山より楽ですか?
    3. トレッキングシューズで登山はできますか?
    4. トレイルとトレッキングの違いは?
    5. アルパインとトレッキングの違いは?
    6. ツアーの「登山」と「トレッキング」は中身が違いますか?
    7. 初心者は登山とトレッキングのどちらから始めるべきですか?
  7. まとめ:山頂を目指すかどうかの違い。選ぶときは数字で見る

登山とトレッキングの違いは「山頂を目指すかどうか」。厳密な定義はない

登山とトレッキングの違いは「山頂を目指すかどうか」。厳密な定義はない

登山とトレッキングの違いは、登山が「山頂に立つこと」を目的にするのに対し、トレッキングは「山の中を歩く過程」を楽しみ、山頂にはこだわらない点です。

ただし、この違いは感覚的なもので、公式な定義や標高の境目はありません。

日本では、両方をまとめて「登山」と呼ぶ人が多いのが実態です。

同じ北アルプスでも、上高地から涸沢まで谷沿いを歩いて戻ればトレッキング、涸沢から穂高の山頂を目指せば登山、という使い分けをすると、2つの違いがつかみやすくなります。

登山とトレッキングの4つの軸の比較
登山とトレッキングの4つの軸の比較
軸 登山 トレッキング
目的 山頂・目的地に到達する 歩く過程と自然を楽しむ
道 登山道。岩場・鎖場を含むこともある 整備された山道・峠道・谷沿い
登り下り 多い(標高差500m以上が普通) コースによる。ゆるやかなものが多い
靴 登山靴(ミドルカット以上) トレッキングシューズ
体力 登り下りに耐える脚力 長く歩く持久力
日本での呼び方 山を歩くこと全般を指すことも多い 山頂にこだわらない本格的な山歩き

4つの軸で見る登山とトレッキングの違い

4つの軸で見る登山とトレッキングの違い

目的:到達か、過程か

登山は「〇〇山に登った」という到達がゴールで、登頂したかどうかがはっきりします。

一方でトレッキングは、縄文杉まで歩く、峠を越えて隣の村へ下りる、高原を一周するというように、歩くこと自体や道中の景色が目的で、山頂に立たなくても成立します。

道:登山道か、歩きやすい山道か

登山は登山道を歩き、コースによっては岩場や鎖場、ハシゴを含みます。

トレッキングと呼ばれるコースは、整備された山道や谷沿い、高原の道が中心で、鎖場のような技術を要する場所は少ない傾向があります。

ただし屋久島の縄文杉のように、往復10時間歩くトレッキングコースもあるので、「トレッキング=楽」ではありません。

装備:登山靴か、トレッキングシューズか

登山では足首を覆うミドルカット以上の登山靴が基本で、トレッキングでは足首が低めのトレッキングシューズでも歩けるコースが多くなります。

ただし、水・行動食・レインウェア・地図・ヘッドライトといった持ち物は、どちらも同じです。

「トレッキングだから軽装でいい」という考えが、いちばん多い失敗です。

トレイル・アルパイン・ハイキングとの違い
トレイル・アルパイン・ハイキングとの違い

体力:脚力か、持久力か

登山は登り下りが多いので、脚力と心肺機能が求められます。

トレッキングは登り下りが少ないコースが多い代わりに、長い距離を歩き続ける持久力が求められます。

どちらが楽というより、求められる体力の種類が違います。

トレイル・アルパイン・ハイキングとの違い

トレイル・アルパイン・ハイキングとの違い

トレイルは「道」、トレッキングは「活動」

トレイル(trail)は登山道や山道そのものを指す言葉で、トレッキングは歩く活動を指します。

「京都一周トレイル」「ロングトレイル」のように道の名前に使われ、トレイルを歩く活動がトレッキングやハイキングです。

トレイルランニングは、その道を走る競技です。

アルパインは「高山・岩と雪の登山」

アルパイン(alpine)は、もともとアルプスのような高山を指す言葉で、登山では岩や雪を登る本格的な登山のスタイルを指します。

「アルパインクライミング」は、トレッキングとは対極にある、ロープや専門技術を使う登山です。

道具の名前に付く「アルパイン」は「高山向け・本格向け」という意味です。

ハイキングはトレッキングよりさらに気軽

ハイキングは、遊歩道や丘を半日で歩く気軽な活動で、スニーカーでも歩けるコースが多くあります。

トレッキングはそれより長く本格的で、登山はさらに登り下りが多い、という3段階で考えると整理できます。

トレッキングとハイキングの違いは別の記事で詳しく比べています。

あわせて読みたい:登山初心者が最初にやること|山選びの基準と関東・関西のおすすめ

日本と海外での使われ方の違い

日本と海外での使われ方の違い

日本:山を歩くことをまとめて「登山」と呼ぶ

日本では、日帰りの低山歩きも、アルプスの縦走も「登山」と呼び、トレッキングは旅行会社やガイドがコースの雰囲気を伝えるために使う言葉になっています。

「トレッキングツアー」と「登山ツアー」の中身が実質同じということも珍しくありません。

海外:トレッキングは「数日以上の山旅」

海外では、トレッキングはネパールやニュージーランドのように数日から数週間かけて歩く山旅を指し、日帰りの山歩きは hiking と呼ばれます。

mountain climbing や mountaineering は、岩や氷を登る専門的な登山です。

海外のツアーを探すときは、この意味の違いを知っておくと選び間違えません。

登山の英語表現は登山の英語の記事にまとめています。

自分に合うのはどちら?名前ではなく数字で選ぶ

自分に合うのはどちら?名前ではなく数字で選ぶ

コースタイムと標高差の2つの数字で判断する

コースやツアーを選ぶときは、「登山」か「トレッキング」かという名前ではなく、コースタイムと標高差の2つの数字で判断してください。

往復3時間以内・標高差500m以内なら初心者向け、往復5時間・標高差800mを超えると中級者向け、というように、名前に関係なく難易度が分かります。

名前ではなく数字で選ぶ基準
名前ではなく数字で選ぶ基準

山頂に立つ達成感がほしいなら登山、道中を楽しみたいならトレッキング

目標を達成する喜びを求める人は、山頂というゴールがある登山のほうが続きます。

森や川、高原の景色をゆっくり味わいたい人は、トレッキングと呼ばれるコースのほうが楽しめます。

どちらも試してみて、自分がどちらで満足感を得られるかで決めれば十分です。

装備は「一段上」に合わせておく

トレッキングのつもりでもトレッキングシューズを履き、レインウェアとヘッドライトを持つ。

登山のつもりなら登山靴と3種の神器をそろえる。

名前で装備を軽くせず、一段上に合わせておけば、どちらの呼び方のコースでも安全に歩けます。

装備の基本は登山の始め方の記事にまとめています。

よくある質問

よくある質問

登山とトレッキングの違いを一言で言うと?

登山は山頂を目指すこと、トレッキングは山の中を歩く過程を楽しむことです。

厳密な定義はなく、日本では両方をまとめて登山と呼ぶことが多いです。

トレッキングは登山より楽ですか?

登り下りが少ないコースが多い傾向はありますが、往復10時間歩くトレッキングコースもあります。

名前ではなく、コースタイムと標高差で判断してください。

トレッキングシューズで登山はできますか?

往復3時間以内の低山で岩場がなければ歩けます。

標高差が大きい山や岩場のある山では、足首を支える登山靴のほうが安全です。

トレイルとトレッキングの違いは?

トレイルは登山道や山道という「道」を指し、トレッキングはその道を歩く「活動」を指します。

アルパインとトレッキングの違いは?

アルパインは岩や雪を登る本格的な高山登山のスタイルで、トレッキングとは対極です。

道具に付く「アルパイン」は高山向け・本格向けという意味です。

ツアーの「登山」と「トレッキング」は中身が違いますか?

主催者によって呼び方が違うだけで、中身が同じこともあります。

コースタイム・標高差・必要な装備の欄で判断してください。

初心者は登山とトレッキングのどちらから始めるべきですか?

どちらでも構いません。

往復3時間以内・標高差500m以内の整備されたコースから始めれば、呼び方に関係なく安全に楽しめます。

まとめ:山頂を目指すかどうかの違い。選ぶときは数字で見る

まとめ:山頂を目指すかどうかの違い。選ぶときは数字で見る

登山とトレッキングの違いを、知りたいことから逆引きでまとめます。

知りたいこと 答え
いちばんの違い 登山は山頂に立つこと、トレッキングは歩く過程を楽しむこと
装備の違い 靴は登山靴かトレッキングシューズか。持ち物は同じ
似た言葉 トレイルは道、アルパインは岩と雪の本格登山、ハイキングはさらに気軽
海外での意味 トレッキングは数日以上の山旅。日帰りは hiking
選び方 名前ではなくコースタイムと標高差。装備は一段上に

登山という言葉そのものの意味や種類は登山とは何かをまとめた記事で、トレッキングの意味と始め方はトレッキングとは何かをまとめた記事で扱っています。

次に読む:登山初心者の失敗例10選|準備・装備・歩き方でやりがちなミスと対策

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