「トレッキングツアー」「トレッキングシューズ」と言葉はよく見るのに、トレッキングとは結局どんな活動で、登山やハイキングと何が違い、自分にできるものなのかがはっきりしないままではありませんか?
この記事では、トレッキングとは何かという言葉の意味と語源、登山・ハイキングとの違い、日本と海外での使われ方、トレッキングの魅力、必要な服装と装備、初心者の始め方を解説します。
読み終えるころには、トレッキングという言葉を自分で使い分けられて、最初のトレッキングに何を準備すればいいかが分かります。
トレッキングとは、山頂にこだわらず山の中を長く歩くこと

トレッキングとは、山頂に立つことを目的にせず、山道や高原、谷沿いを長い距離歩いて自然を楽しむ活動のことです。
英語の trek(長い道のりを旅する)が語源で、もともとはネパールのヒマラヤのように、数日から数週間かけて山の中を歩く旅を指す言葉でした。
日本では、屋久島の縄文杉トレッキングや上高地のトレッキングのように、「山頂ではなく、その場所まで歩いて行くこと」が目的の山歩きに使われます。
ハイキングより長く本格的で、登山ほど登り下りにこだわらない、その中間にある活動と考えると分かりやすいです。

| 言葉 | 重心 | 目安 |
|---|---|---|
| ハイキング | 自然の中を気軽に歩く | 半日以内。遊歩道や丘。スニーカーでも可 |
| トレッキング | 山道を長く歩く。山頂にこだわらない | 4時間〜数日。トレッキングシューズ |
| 登山 | 山頂を目指して登り下りする | 3時間〜数日。登山靴と専用装備 |
トレッキングの意味と語源

語源は「長い旅」。ヒマラヤの山旅から広まった言葉
trek は、もともと南アフリカで牛車での長い移動を指した言葉で、そこから「長い道のりを苦労して旅する」という意味になりました。
ネパールのヒマラヤで、山小屋や村をつないで数週間歩く旅が「トレッキング」と呼ばれて世界に広まり、日本にも入ってきました。
日本では「山頂を目指さない本格的な山歩き」
日本では、トレッキングは登山より少しゆるやかで、ハイキングより本格的な山歩きを指すことが多い言葉です。
ただし厳密な定義はなく、旅行会社やガイドが「トレッキングツアー」と名付けるかどうかで印象が変わります。
屋久島の縄文杉のように往復10時間歩くコースも「トレッキング」と呼ばれるので、名前だけでは難易度は分かりません。
海外では「数日以上の山旅」
海外でトレッキングと言えば、ネパール、ニュージーランド、パタゴニアのように、数日から数週間かけて歩く山旅を指すのが普通です。
海外のトレッキングツアーを探すときは、日本の感覚より長く本格的だと考えておくと選び間違えません。
トレッキングと登山・ハイキングの違い

登山との違いは「山頂を目指すかどうか」
登山は山頂に立つことが目的で、登り下りが明確にあります。
トレッキングは山の中を歩く過程そのものを楽しみ、山頂にはこだわりません。
同じ北アルプスでも、上高地から涸沢まで歩けばトレッキング、そこから穂高の山頂を目指せば登山、という使い分けです。
詳しくは登山とは何かをまとめた記事で扱っています。
ハイキングとの違いは「距離と装備」
ハイキングは半日で歩ける遊歩道や丘が中心で、スニーカーで歩けるコースが多いのに対し、トレッキングは山道を数時間以上歩くので、足首を支える靴と水・行動食・地図が必要です。
2つの違いはトレッキングとハイキングの違いの記事で詳しく比べています。

「トレッキング」が付く道具は「山歩き用」の意味
トレッキングシューズ、トレッキングポール、トレッキングパンツのように道具の名前に付く「トレッキング」は、活動の種類とは関係なく「山歩き用」という意味です。
トレッキングシューズは足首が低めのハイキング〜軽登山向けの靴、トレッキングポールは登山でも使うストックを指します。
トレッキングの魅力

景色と自然を「歩きながら」味わえる
山頂を急がないトレッキングは、道中の景色そのものを味わえるのがいちばんの魅力です。
近年は登山ブームで登山人口が増え、登山者の裾野が広がったこともあり、森の中、沢沿い、高原の花畑といった道中の景色をゆっくり楽しめるのが魅力です。
屋久島の苔むした森、上高地の川沿いの道、尾瀬の湿原のように、山頂がなくても歩く価値のある場所が日本には多くあります。
体力に合わせてコースを選べる
登り下りが少ないコースを選べば、運動習慣がない人や年配の人でも数時間歩けます。
登山ほど脚力を要求されないので、初めての山歩きとして入りやすい活動です。
ツアーが多く、一人でも参加しやすい
屋久島や上高地、尾瀬、熊野古道のような人気のトレッキングコースには、ガイド付きのツアーが多くあります。
装備のレンタル込みのプランもあり、初心者が一人で申し込んでも安心して歩けます。
トレッキングに必要な服装と装備

靴はトレッキングシューズ、服は綿を避けて重ね着
トレッキングでも、スニーカーではなく足首を支えるトレッキングシューズを履き、綿の服を避けて化繊の重ね着にするのが基本です。
山道は濡れた岩や木の根で滑りやすく、汗で濡れた綿の服は休憩中に体を冷やします。

持ち物:水・行動食・レインウェア・地図・ヘッドライト
水は1〜1.5L(夏は2L)、歩きながら食べられる行動食、上下のレインウェア、地図アプリを入れたスマホとモバイルバッテリー、ヘッドライトを持ちます。
「トレッキングだから軽装でいい」と考えるのが、いちばん多い失敗です。
半日以上歩くなら、装備は登山と同じと考えてください。
ザックは20〜30L
日帰りのトレッキングなら、20〜30Lのザックで足ります。
腰ベルトが付いている物を選ぶと、肩への負担が減って長く歩けます。
初心者のトレッキングの始め方

整備されたコースを、コースタイムと標高差で選ぶ
最初は、往復3〜4時間以内で、標高差が300m以内の整備されたコースを選びます。
名前が「トレッキング」でも「登山」でも、コースタイムと標高差の2つの数字で判断するのがコツです。
地図アプリで両方を確認してください。
初心者向けの定番コース
関東なら高尾山や奥多摩の川沿いの道、関西なら六甲山の周回コースや京都一周トレイルの一部、全国的な定番なら上高地の梓川沿い、尾瀬ヶ原の木道、屋久島の白谷雲水峡が、トレッキングとして歩ける代表的なコースです。
いずれもコースの長さで難易度が大きく変わるので、事前に確認してください。
計画・登山届・天気の確認は登山と同じ
コースタイム×1.2倍で計画し、地図をダウンロードし、登山届を出し、前日に山の天気を確認する。
この流れはトレッキングでも登山でも変わりません。
詳しい手順は登山の始め方の記事にまとめています。
よくある質問

トレッキングとはどういう意味ですか?
山頂にこだわらず、山道や高原を長い距離歩いて自然を楽しむ活動です。
語源は英語の trek(長い道のりを旅する)で、ヒマラヤの山旅から広まった言葉です。
トレッキングと登山の違いは何ですか?
登山は山頂を目指して登り下りすること、トレッキングは山の中を歩く過程を楽しむことに重心があります。
厳密な境界はなく、日本ではまとめて登山と呼ぶことも多いです。
トレッキングは初心者でもできますか?
できます。
往復3〜4時間以内、標高差300m以内の整備されたコースから始めてください。
ガイド付きのツアーも多く、一人でも参加しやすい活動です。
トレッキングにスニーカーで行けますか?
整備された遊歩道レベルならともかく、山道を歩くならトレッキングシューズをおすすめします。
滑りにくく、足首を支えるので、下りでのねんざを防げます。
トレッキングツアーと登山ツアーの違いは?
トレッキングツアーは山頂にこだわらず景色や自然を歩いて楽しむ内容、登山ツアーは山頂到達が目的の内容が中心です。
主催者によって呼び方は違うので、コースタイムと標高差で判断してください。
トレッキングは英語でどう言いますか?
trekking です。
海外では数日以上の山旅を指すことが多く、日帰りの山歩きは hiking と呼ばれます。
トレッキングポールは必要ですか?
必須ではありませんが、下りで膝の負担を減らせるので、長いコースや膝に不安がある人にはおすすめです。
まとめ:トレッキングは「歩く過程を楽しむ山歩き」。装備は登山と同じに

トレッキングについて知っておきたいことを逆引きでまとめます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| トレッキングとは | 山頂にこだわらず、山道を長く歩いて自然を楽しむ活動 |
| 登山との違い | 山頂を目指すかどうか。厳密な境界はない |
| ハイキングとの違い | 距離が長く、山道を歩くので靴と装備が要る |
| 必要な物 | トレッキングシューズ・化繊の重ね着・水・行動食・レインウェア・地図・ヘッドライト |
| 始め方 | 往復3〜4時間・標高差300m以内の整備されたコースから。計画と登山届は登山と同じ |
言葉の違いにこだわりすぎず、行きたいコースの「歩く時間」と「登り下りの量」を見て、それに合った準備をすれば、呼び方がどれであっても安全に楽しめます。
